タイヤからビッグデータ 住友ゴム社長が語る次世代技術

景気アンケート2021年春

聞き手・橋本拓樹
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 電気自動車(EV)の普及に向けた動きが、国内でも急速に進んでいる。車の「足」であるタイヤは、どう対応していくのか。自動車の進化をにらみ、次世代技術の開発を進めている住友ゴム工業の山本悟社長に聞いた。

 EVには、バッテリーが重いという特徴があります。走行距離を最大化するためには、走行中のタイヤに生じる抵抗力を減らすことが基本中の基本になります。タイヤの軽量化や、エンジン音がなくなることで際立つ、タイヤから生じる音を減らすことも、重要になります。それと、発進する時の力が大きいので、タイヤが摩耗しにくくなる性能がしっかりしていることも大事です。

 これらの技術を融合させて、環境対応車に最適な性能のタイヤを開発していきます。静粛性でいえば、走行音とは別にタイヤの内部から響いてくるノイズを消すために、タイヤ内に取り付ける特殊な吸音スポンジの技術を持っています。

 次世代の車に必要な技術の方向性を「スマートタイヤコンセプト」と位置付けて研究を進めており、EVにも活用できると考えています。EVは、MaaS(マース)(次世代型移動サービス)やCASE(ケース)(ネット接続や自動運転、電動化など自動車の次世代技術)の中核です。

 たとえば、タイヤの空気圧や摩耗、路面の状態などをタイヤが発する信号から解析する技術も、2025年に実用化する予定です。摩耗や空気圧の低下を防げるだけでなく、センサーとして得られたデータを他社と連携してビッグデータ化することができます。高速道路上を走る車からデータを集め、路面の滑りやすさといった状態をカーナビに配信するなどの活用方法が考えられます。(聞き手・橋本拓樹)