AGCが好機と捉えるEV化 理由は電池やエンジン音…

景気アンケート2021年春

聞き手・神山純一
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 ガソリン車の代わりに電気自動車(EV)などを増やす、「電動化」の流れが押し寄せる自動車業界。不要になる車のパーツも多く、部品メーカーの間では不安の声も根強い。しかし、ガラス大手AGCの平井良典社長は「大きなビジネスチャンス」だという。その狙いをきいた。

 昨春以降、コロナ禍による受注減で大きな影響を受けました。半導体不足によるメーカーの減産もあって、自動車関連の受注は以前の水準まで回復していません。

 一方、自動車関連事業は長期的にみれば車の電動化がポジティブに働き、大きな成長が見込めると考えています。EVが普及すれば、これまで以上に付加価値の高い商品が提供できる可能性があるからです。

 例えば、EVは電池の容量に限りがあるため、エアコンの消費電力を少なくすることが求められます。エアコンの負荷が大きいと、それだけ1回の充電で走行できる距離が短くなる。電池を節約するために、断熱性に優れたガラスが今よりも必要とされるでしょう。

 また、エンジン音が消える分、ドライバーは小さい音でも気になるようになることから、遮音性の高いガラスも求められるはずです。インターネットに車がつながるようになれば、スマホのようにタッチパネルの内装品が増え、画面に使うカバーガラスの引き合いも伸びるでしょう。

 これまでの自動車業界は、日米欧のメーカーが中心でした。エンジンの造りが複雑で、参入障壁が高かったからです。EVの基本構造は電池とモーターだけで、中国には多くのEVメーカーができています。産業構造の変化を見極め、対応していく必要があると考えています。(聞き手・神山純一)