米中関係「変わらない」66社、薄れる期待 朝日調査

景気アンケート2021年春

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 全国の主要企業100社を対象にした朝日新聞のアンケートでは、景気の先行きやコロナ禍の影響に加え、様々な社会課題についても幅広く聞いた。

 先端技術分野での覇権を巡って対立を強める、米国と中国。バイデン米大統領の就任から約4カ月経った段階で、両国関係の見通しを聞いた。66社が「現状と変わらない」とし、「摩擦が激しくなる」が10社、「関係改善に向かう」は3社だった。

 バイデン氏の勝利が確実となった直後の昨秋の前回調査から、「摩擦」は9社増え、「改善」は10社減った。昨秋よりも関係改善の期待が薄れ、三菱重工業の泉沢清次社長が「トランプ政権の対中政策の原則をバイデン政権も引き継いでいる」とするなど、両国の緊張関係が固定化しつつあるとの認識がうかがえる。ウイグル族への迫害が指摘されていることなど、中国国内の人権問題が両国間の新たな火種になるとの見方も多かった。

 対立が及ぼす事業への影響について、「ある」と答えたのは37社。日本ガイシの小林茂社長は「前政権と『変わらない』ということなので、結構厳しい状態だ」と述べた。住友化学の岩田圭一社長は「グローバルサプライチェーンの見直しの動きが本格化する可能性がある」と懸念する。

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