「事業構造転換が必要」温室効果ガス削減で住友化学社長

景気アンケート2021年春

聞き手・江口英佑
[PR]

 政府の脱炭素目標を受けて、多量の温室効果ガス(GHG)を排出する化学産業は大きな変革を迫られている。長期的に国内需要が縮小傾向にある中、石油化学産業はどう対応していくのか。住友化学の岩田圭一社長に聞いた。

 今年中に2050年の「温室効果ガス排出ゼロ」を掲げようと考えています。

 化学製品は、ある物質を高温や高圧にして別の物質に変えていくことで作ります。この化学反応で排出されるGHGは、ものすごく少ない。これに、副次的に産出された物質を燃やした際に排出する分を加えると、全社の排出量の約30%になります。ここは、化学企業として削減に取り組まないといけません。

 一方、排出量の約70%を占めるのが、化学反応させるのに使う熱や圧力を高めるためのエネルギーです。これに使う電気や重油は多量のGHGを排出します。これをどう減らすのか。外部からの購入電力、自前の電力を含めて、別のアプローチが必要です。

 プラントの停止や高効率発電所の導入などにより、13年比で30%超のGHGを削減できる見込みです。しかし、政府が掲げた「30年に13年比46%減」に向けて、あと約10%下げるのは相当ハードルが高い。事業構造を転換していかないと、達成できません。

 石油化学製品はマスクに使う不織布や医療用ガウンなど間口が広いです。その上、自動車や家電などの製造業に使われる高機能な素材もあり、日本にとって必要な産業だと考えています。ただ、内需は長期的に減っていくので、必要な量がどれだけなのか、注視しないといけません。(聞き手・江口英佑)