「変化あるところにチャンス」旭化成、脱炭素目標の狙い

景気アンケート2021年春

聞き手・江口英佑、土居新平
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 政府は、温室効果ガスの排出量を2030年度までに13年度比で46%削減、50年までに実質ゼロにする目標を打ち出した。化学メーカーの中には数値目標を示していない企業もあるなか、旭化成は5月、「脱炭素」に向けた目標を公表した。小堀秀毅社長にねらいを聞いた。

 50年にカーボンニュートラル温室効果ガスの排出実質ゼロ)の実現は、世界の大きな潮流です。当社は50年までのステップとして、「30年に30%以上削減」という目標を掲げました。われわれ現役世代ができることに取り組み、将来世代につなげることが大事だと考えます。

 50年にゼロというのは、かなりの技術革新を起こさないと難しい。今ある技術をベースに、これから数年の努力でできそうなものを中心に積み上げ、掲げた目標が「30%以上」です。この数字は海外の拠点も含めた数字で、国内だけで見れば45%前後の削減となる見込みです。

 脱炭素化はその国のエネルギー政策に依存する部分がありますが、当社では自家発電の比率が国内外あわせて40%ほどあります。その中身をどんどんCO2(二酸化炭素)を出さない形のエネルギーに転換していきます。

 変化があるところには、チャンスがあります。脱炭素の流れは、大手住宅メーカーには有利に働くでしょう。当社の「ヘーベルハウス」は災害に強く、50年、60年と資産価値を保てるのが強みです。これにZEH(ゼッチ)(ゼロ・エネルギー・ハウス=エネルギー消費を実質ゼロにする住宅)が加わります。

 再生可能エネルギーに対する関心が高まり、住宅の屋上に太陽光パネルを付けるニーズがさらに増します。賃貸住宅「ヘーベルメゾン」の屋根にも太陽光パネルの設置を進めています。その電力を当社が買い取り、川崎製造所で使い始めました。これも大手だからできる取り組みです。(聞き手・江口英佑、土居新平)