「貧困対策にも重要」酪農の可能性、明治HD社長語る

有料会員記事景気アンケート2021年春

聞き手・高木真也
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 明治ホールディングスの川村和夫社長は乳業メーカーなどでつくる業界団体・Jミルクの会長も務める。今夏の牛乳の需給の見通しや酪農の今後について聞いた。

 牛乳が消費されるのは主に家庭です。今春は巣ごもり効果もあって、最初の緊急事態宣言が全国で発令されていた昨年よりは少し弱いものの消費は堅調です。昨年は学校の一斉休校で給食が一時的にストップし、余った牛乳を廃棄する寸前でしたが、今年は問題なく推移しています。

 夏は猛暑になるほど牛乳の消費が増える一方、牛も夏バテして乳を搾れる量が減ります。供給が不足がちになり、生産量の多い北海道から本州へ輸送船で運びます。台風が相次いで襲来した一昨年は運べないこともありました。今年も台風への懸念はありますが、よほどのことがなければ極端に不足することはなさそうです。

 今年9月には持続可能な食料の生産や供給について各国が議論する「国連食料システムサミット」があり、世界の酪農団体は食料の供給システムに酪農がどう貢献できるかを考えています。注目しているのは、貧困対策や地域開発という視点で、酪農の役割がとても重要になってくるという考え方です。

 家畜の牛や豚から得られる栄養分に対し、育てるための飼料が多く割に合わないという指摘があります。しかし、実際には酪農や畜産で家畜が食べる飼料のうち、86%は人間が食べることができないものです。代表的なものが牧草ですが、生えるのは、草木が育ちにくく農耕にも適さない地域。そうした場所で放牧をすることで、人が食べられない牧草を食べて牛が育ち、牛乳を生み出してくれるわけです。

 北海道の道東地域はかつて…

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