新浪社長「正直者がバカを…」 酒類提供禁止後の商機は

景気アンケート2021年春

聞き手・若井琢水
【動画】「なぜお酒だけが責められるのかな…」サントリーHD新浪剛史社長のインタビュー=長島一浩撮影
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 緊急事態宣言で飲食店での酒の提供が禁止され、酒類メーカーはこれまでにないほどの苦境に立たされている。今後の道筋をどう描くか、サントリーホールディングス新浪剛史社長に聞いた。

 国内の飲食店向けは相当厳しい。お客さんが家庭内で消費することに慣れ、経済活動が戻ってもコロナ前と比べて8割、9割のマーケットになってしまう可能性があります。年初は飲食店の需要をコロナ前の7割と見込んでいましたが、大変難しくなりました。ただ、9、10月に繰り越し需要があれば、計画を達成できる可能性はまだあります。

 酒類の提供禁止については、やむを得ないところがあります。休業要請を守らない飲食店があるのは事実ですから。ただ、絶対にあってはいけないのは正直者がバカをみること。飲食店では、感染対策を一生懸命していた人たちが店をやめています。一方で、対策をとらない人のところがにぎわって大もうけなんですね。そこで感染が広がっている。これは自治体がもっと指導していかないといけません。

 秋口にはワクチン接種が進んで、世界各国で起こっているように消費が一気に回復することを期待しています。飲食店では、今までのように2次会まで行ってたくさん飲むことはないけど、プレミアム志向が出てくるでしょう。そこに付加価値が高い商品を出していきます。国産のウイスキーは量がないので、海外の蒸留所のもので日本人の好みに合うような商品を提供していくことも必要です。

 ワクチンも100%効くわけではないという恐怖心があって、夜中まで飲んでうたってという消費は減るでしょう。これは不可抗力ですから、海外で好調な米国欧州を中心に補っていきます。(聞き手・若井琢水)