政治動かした少女の訴え 「医療的ケア児支援法」成立

山下剛
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 11日の参院本会議で可決、成立した「医療的ケア児支援法」は、たんの吸引や人工呼吸器といったケアを日常的に必要とする子どもと、その家族への支援を充実させる内容だ。この法律ができたきっかけのひとつは、ある少女の訴えだった。

 東京都立の特別支援学校に通う中学部1年の山田萌々華(ももか)さん(13)。この日は両親とともに国会を訪れ、傍聴席から採決を見守った。法案が全会一致で可決されると、横たわっているバギーから両手を振って喜びを表現した。

 小学部3年だった3年前。都内で開催された「医療的ケア児と家族の主張コンクール」に参加し、こう訴えた。

 《私は骨がとても弱いので、寝たきりです。でも、みんなと一緒に笑うことができます。みんなと一緒におしゃべりができます。困っている人がいたら、声をかけることもできます。だけど、学校に行けないので家にいます》

 《がんばって勉強しますから、私を学校に行かせてください》

 骨形成不全症という病気のため、寝たきりで人工呼吸器を使っている萌々華さん。当時は人工呼吸器を使っている子どもが学校に通うには、保護者の付き添いが必要だった。しかし、両親は共働きで付き添いはできない。このため、先生が自宅を訪れて授業をする「訪問教育」を受けていた。

 萌々華さんは、母親の美樹さんとともにケア児の支援に取り組む超党派の国会議員グループ「永田町子ども未来会議」などで、「学校に通いたい」と訴えてきた。

 訴えを受けて東京都教育委員会は、人工呼吸器を使う子どもでも保護者の付き添いなしで学校生活を送れるようにするガイドラインをまとめ、萌々華さんも昨年6月から通学できるようになった。

 それでも、学校に配置されている看護師が足りないため、通学できるのは週2回だけだ。会議の中心メンバーのひとり、自民党野田聖子幹事長代行も、「看護師が足りないせいで学校に通えないなんて、ナンセンスだ」と指摘していた。

 今回成立した医療的ケア児支援法では、学校の設置者に対し「保護者の付き添いがなくても適切な医療的ケアその他の支援を受けられるようにするため、看護師等の配置その他の必要な措置を講ずるものとする」と定める。また、看護師が不足していることを踏まえ、学校では介護福祉士などでもケアを担えることにした。

 萌々華さんは「法律ができて、毎日学校に通えるようになることを期待します」と話した。山下剛