五輪選手の感染リスクは? 東京「過去に例がない状況」

有料会員記事新型コロナウイルス

聞き手・枝松佑樹
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 東京五輪は33競技339種目が予定され、中には選手同士の接触が多い競技もあります。選手の新型コロナウイルスへの感染リスクはどれくらいあるのでしょうか。

 北海道大学病院の感染制御部長、石黒信久さん(61)は、今季11日時点で選手やスタッフの感染ゼロを続ける女子サッカーなでしこリーグ」で感染対策を監修しています。話を聞きました。

     ◇

 ――サッカーの競技による感染リスクはあるのでしょうか。

 カタールのプロサッカーチームに対する研究によれば、シーズン中に陽性となった選手36人の感染経路を追うと、練習中や試合中に感染した例はありませんでした。

 また、別のデンマークの研究では、試合中に他の選手との距離が1・5メートル以内になる時間は、ポジションによって異なりますが、平均87・7秒でした。

 ――この時間はどう考えればよいでしょうか。

 ECDC(欧州疾病予防管理センター)は、「2メートル以内で15分以上、マスク無しの対面接触」が高リスクだとしています。

 基準は国によって多少異なりますが、これと比べても87秒程度で感染するとは考えにくいですね。

 ――サッカー以外の競技はどうですか。接触が多い競技もあります。

 過去にアメフト、レスリングラグビーなどで感染症の報告例がありますが、ほとんどが接触感染による皮膚病です。

 その点、コロナはほとんどが飛沫(ひまつ)感染によるとみられています。過去に、飛沫感染するインフルエンザなどが競技で問題となったこともありません。

 競技者は互いに激しく動き回るので、競技中のコロナ感染のリスクは、それほど心配しなくてもよいと思います。

 心配すべき点は、もっとほかにあります。

 ――どんなことでしょうか。

 競技以外の時間の過ごし方です。

 米国の大学サッカーチームで集団感染が起きましたが、共同生活、懇親会、家族、マッサージなどが感染経路と考えられています。

 選手だけでなくコーチ、スタッフにも、日常生活における感染対策の順守が求められます。

 ――なでしこリーグでも日常の感染対策を重視していると聞きました。

 リーグが各チームに対し、感染対策責任者を選び、選手とスタッフは毎日の行動記録をつけるよう求めています。

 また「感染を注意すべき関係者」として、選手とスタッフだけでなく、その家族や同居人、競技場職員、出入り業者、試合運営に関わるボランティア、メディアまで含めています。

 今季、これまで選手やスタッフの感染がゼロなのはとても立派です。

 ――選手だけでなく周囲の感…

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