山本由伸「完全」目前 後輩が「ノーノー目前」2日後に

佐藤祐生
[PR]

(11日、プロ野球交流戦 オリックス4―0広島)

 偉業まであとアウト六つ。

 オリックスの山本由伸は一人の走者も許さないまま八回を迎えた。

 先頭は広島の鈴木誠也。カウント1―1からの3球目。高めのカットボールを中前にはじき返され、苦笑いを浮かべた。

 「(鈴木誠は)すごくいい選手なので、悔しいけど仕方ない」

 次打者にも安打を許し、ギアを上げたか。後続を3者連続三振。やはり並の投手ではない。

 最速157キロをマークした直球に加え、140キロ台後半のフォークにカットボール。

 全てが一級品だが、この夜は特にカーブが有効だった。

 これまではカウントを稼ぐことが多かった120キロ台の緩い変化球を勝負球として多投して、面白いようにバットに空を切らせ、自己最多の15三振を奪った。

 5月、3連敗を喫した。「フォームにしっくりこないところがあった」と、登板間隔をあけて見直した。「徐々に良くなっている」。前回登板の中日戦では7回1失点と復調の兆しを見せた。

 発奮材料がもう一つ。2日前、19歳の宮城大弥(ひろや)が巨人を相手に七回2死まで無安打と偉業に迫った。

 「高卒2年目で素晴らしい。リスペクトしています」。3学年後輩の快投をそうほめつつ、22歳は「まだ負けない」とも言った。

 お立ち台。完全試合を意識したか、と問われると「調子もすごくよくて、三回くらいから」と笑った。

 チームは2018年7月以来3年ぶりに勝ち越しを1とし、リーグ3位に浮上。交流戦の単独首位にも立った。

 「自分もしっかりいい流れに乗っていかないとチームもいい流れにならない」

 エースの矜持(きょうじ)が詰まった113球だった。(佐藤祐生)

 中嶋監督(オ) 山本について、「全ての球を操って完全に支配していた。これ以上ない投球だった。完全試合はめちゃくちゃ難しい」。

 佐々岡監督(広) オリックス・山本について「真っすぐが強い。変化球もフォーク、カーブの腕の振りが一緒でボール球を振らされる。ああいう投球をされるとちょっとね……」。