服7枚で寒さ耐え、村上春樹を読む 周庭さん無言の出所

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香港=奥寺淳
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 香港で政府に抗議する未許可デモを組織するなどした罪で禁錮10カ月の実刑判決を受けた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さん(24)が12日午前、刑期を終えて釈放された。昨年6月末に施行された香港国家安全維持法国安法)のもとでは政府批判も容易ではなく、釈放後もかつてのように自由にもの申すことは難しくなりそうだ。

 現地時間同日午前10時ごろ、白いTシャツ姿の周さんは香港北西部の新界地区にある女性刑務所を出て、迎えの車に乗り込んだ。100人以上の報道陣や支持者らが「周庭さん!」「がんばれ!」と呼びかけて車を取り囲んだが、周さんは言葉なく去った。

 周さんは事件の容疑者を中国本土に移送できる2019年の逃亡犯条例改正案に反対するデモをめぐり、警察の取り締まりに抗議して警察本部を数万人で包囲するデモを組織し、参加者を扇動した公安条例違反の疑いで逮捕・起訴。昨年12月に実刑判決を受けた。周さんの弁護士によると、刑務所での態度が模範的だったことなどから刑期が短縮され、約7カ月で出所できたという。

 周さんは15歳で社会運動を始め、普通選挙の導入を求めた14年の反政府デモ「雨傘運動」では広報担当として外国メディアとも接した。その後、16年に設立された若者を中心とした民主派の政治団体「香港衆志(デモシスト)」(昨年6月末に解散)の創設メンバーの一人として活動。昨年11月には英BBCが選んだ「2020年の女性100人」の一人にも選ばれた。

 日本のアニメやアイドルが好きで、日本語を独学で習得。ユーチューブやツイッターなどを通じ、香港の民主運動や活動家らが逮捕される現状などについて流暢(りゅうちょう)な日本語で発信を続けた。19年には朝日新聞の取材に、「私にとって香港は家。香港人という責任感や誇りをもって、民主化運動を続けていきたい」などと語っていた。19年には来日して日本記者クラブで会見し、「逃亡犯条例が改正されれば香港は中国になってしまう」と訴えていた。

「刑務所出たら、身体を休ませたい」

 強まる中国政府の圧力の中で…

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