1日3時間だけ「幻の銭湯」 夫婦で守ったぬくもり

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岩本修弥
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 営業はたったの3時間。しかも週4日だけ。

 銭湯ファンの間で「幻の銭湯」「兵庫県で最難関」と言われる小さな老舗が、神戸市垂水区にある。

 かつてのニュータウンの一角に、高丸温泉(高丸湯)はたたずむ。のれんをくぐると、店主の植岡節子さん(78)が番台で出迎えてくれる。

 床には青を基調としたレトロなタイルが敷き詰められ、昭和にタイムスリップしたかのよう。

 メインの浴槽は41~43度の湯。そばには電気風呂やジェットバスも。一番の売りは、季節限定の源泉掛け流しの水風呂だ。

 深さ約13メートルからくみ上げた天然の地下水を濾過(ろか)して使っている。水温は約18度。美肌効果があるとされるメタケイ酸が多く含まれ、「入った後に化粧水を使わなくてもいい」と喜ぶ女性客もいるという。

ひしゃげたボイラー

 創業は1957年。もとは、21歳年上の夫が営んできた。壁一面のモザイクタイルは、夫の好きだった京都の風景を描いたものだ。

 当時は風呂のない社宅が多く、若いサラリーマンでにぎわった。午後2時から午前1時まで、1日100人を超える客が汗を流しにきていた。

 しかし風呂付きの住宅が増え…

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