ヤスが走り抜けた34年 最後に残した人を幸せにする服

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編集委員・石橋英昭
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 点滴をつけたまま着替えができ、病室でもオシャレでいられる。そんな入院服が商品化された。つくったのは、病と闘い、昨年7月に神戸で亡くなった宮城県仙台出身の若者だ。生きる意味を探し、もがいてもがいて、走り抜けた34年間。最後に彼は、人を幸せにするプレゼントを残した。

 若者の名は大村泰さん、皆にヤスと呼ばれた。

 高校まで仙台で過ごし、神戸大学工学部に進む。肩まで髪を伸ばし、フットサルに明け暮れ、学生仲間とバーを経営した。大学院を終えた2011年、東京でIT企業大手に就職。神戸大出身者たちと東京・吉祥寺シェアハウスに住んだ。

 あごを激しい痛みが襲ったのは1年後。急性リンパ性白血病の中でも悪性のフィラデルフィア染色体陽性型と診断された。

 姉から造血幹細胞移植を受けた後、今度は重い合併症GVH病にかかる。仙台の実家に戻り、入退院を繰り返す日々。全身を激痛が走り、腹水がたまる。会社は辞めざるを得なかった。

 友たちは社会に出て、それぞ…

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