東芝の社外取締役4人、人事案に反対 異例の展開に

小出大貴
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 東芝が25日の株主総会に提案している取締役の人事案について、現役の社外取締役4人が異議を唱える声明を連名で出したことが分かった。4人も候補に名を連ねており、総会直前に候補者が人事案に反対するのは異例。声明は海外メディアなどに送られた模様で、12日夜時点で東芝側は受け取っていないという。

 声明を出したのは大手会計会社出身のポール・ブロフ氏ら外国人4人。10日に公表された外部弁護士による報告書に関連し、東芝の経営陣が「株主の利益に直接反する行動をとった。容認できない」と表明した。監査委員会についても「透明性がなく、誤った情報を提供した」と批判し、25日の株主総会に諮る13人の取締役の人事案について「全員は支持しない」とした。

 外部報告書は昨夏の定時株主総会で否決された筆頭株主「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」の人事提案を巡り、東芝と経済産業省が一体となって一部の株主に不当な圧力をかけた、と認定。25日の株主総会に会社が提案している人事案には、当時の取締役会や最初の調査を手がけた監査委員会のメンバーも含まれている。(小出大貴)

 東芝の社外取締役4人が連名で出した声明(全文)は次の通り。

 2021年6月10日に発表された東芝の独立調査報告書に関する声明

 私たちは過去2年間、東芝の取締役を務めています。その間、株主還元の向上を目指し、東芝のガバナンスを改善するために多大な時間と労力を費やしてきました。

 6月10日に発表された独立調査報告書は驚くべきもの、かつ失望させられるものであり、部分的には深く憂慮すべきものでした。報告書は、経営陣や取締役会の特定のメンバーが、容認することのできない、株主の利益に直接反する行動をとったことを明らかにしました。私たち取締役会のメンバーにとって、こうした行為や監査委員会による内部調査は不透明であり、私たちに提供された情報は非常に誤解を招く方法で提示されました。私たちはもはや、来たる株主総会で、東芝から指名された取締役候補者の全員を支持することはありません。

 私たちは、東芝が将来、財務実績とガバナンスが改善することを期待し、日本で最も重要な企業の一つを強くすることができるように願っています。取締役会と経営陣の双方のレベルで変化が必要なことは明らかであり、株主に可能な限り最高の利益をもたらすことに焦点を合わせながら、東芝のすべてのステークホルダー(利害関係者)にとってできる限り最高の結果をもたらすように努めます。

ジェリー ブラック

ポール ブロフ

ワイズマン広田 綾子

レイモンド ゼイジ

(社外取締役4人の氏名は東芝の定時株主総会の招集通知に記載された日本語表記に合わせました)