2死からなぜ走れたか ぶれない矢野阪神、貯金20に

内田快
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(13日、プロ野球交流戦 阪神6―5楽天)

 阪神の9番打者が、楽天の守護神・松井裕樹の表情を曇らせていった。

 同点の九回2死走者なしからだった。梅野隆太郎が打席へ。「今日はボールが見えていた」と粘り、10球投げさせて四球を選んだ。

 防御率0点台の左腕から連打は難しい。次打者近本光司への2球目、ディレードスチール。捕手の悪送球を誘い、三塁へ進んだ。これでバッテリーは暴投や捕逸も許されなくなる。見事に重圧をかけると、近本の一塁線を破る三塁打で決勝のホームを踏んだ。

 延長戦がないため、アウトになれば勝ちは消える。なぜ、スタートを切れたのか。梅野は言った。「失敗を恐れずに、というチームの後押しがあったから」

 5日のソフトバンク戦。2―0の五回、近本が三盗に失敗した。ここから潮目が変わり、逆転負けした。だが、矢野燿大監督は「アウトになれば向こうに流れがいってしまうけど、俺はとがめたくはない。今後もチャレンジする野球をしていく」とかばった。

 指揮官のぶれない姿勢が選手に勇気を与え、快進撃を生んでいる。パ・リーグ首位の楽天に3連勝し、勝ち越しを2008年以来の20とした。2位との差は今季最大の7ゲームに広がった。矢野阪神、強し。強く印象づけた。(内田快)

 矢野監督(神) 6連勝で交流戦は11勝7敗の2位。「うちらしい野球。挑戦したり、超積極的にいったり、あきらめない。そういうところが交流戦でも出せた」

 近本(神) 九回に決勝の適時三塁打。「正直、打てるかどうかわからなかったが、なんとしてもバットに当てる気持ちで打席に入った」

 スアレス(神) 12試合連続セーブ。藤川の11試合を上回り、球団新記録。「基本的には登板した場面で集中することだけを意識しているが、ここまでいい成績が残せてよかった」