「大豆田とわ子」最終回 プロデューサーが込めた思い
「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジ系)は、3回離婚した住宅建設会社長・大豆田とわ子(松たか子)が3人の元夫(松田龍平、角田晃広、岡田将生)に振り回される様子をコミカルに描いたドラマだ。とわ子は、新たに登場した外資ファンドの男(オダギリジョー)との四度目の結婚は選ばず、15日夜9時半からの最終回ではどんな展開になるのか、注目が高まっている。制作する関西テレビの佐野亜裕美プロデューサーに、ドラマに込めた思いを聞いた。
「説明しきらない」ワケ
――放送後にツイッターで関連するワードがトレンド入りしたり、様々なメディアで深掘り・考察記事が書かれたりしています。そうした反響をどう受け止めていますか。
番組を愛してくださる方がいるのはすごくうれしく思います。考察記事なども読ませていただいて、「あ、こんな風に読み解くのか」と、こちらが意図していないこともある。でも悲しい場面で泣ける音楽を流すとか、視聴者の感情を規定して、誘導するようなことをしたくないというのは、プロデューサーとしてずっとある思い。見る方によって解釈が違うのは、自分がポリシーとしてやっていることがそういう結果を生んでいるんだなと思います。
――1話の、公園で工事中の穴にはまり服が汚れたとわ子を一番目の夫・八作(松田)が助け、家で服を洗って乾かすシーン。そこで服が乾いたかどうか気にするとわ子に、八作が帰ってほしくなさそうに「まだ乾いてないよ」と言うシーンなどは、やはりしっかりドラマを見ていないと意味が分かりにくいような演出になっていると思います。そういうところは、制作に関わるみなさんで考えているんですか。
(脚本の)坂元裕二さんだけじゃなく、私も、監督や出演者も、全スタッフが密度あるものを作ろうと一丸となってやっている。脚本は土台ではあるけど、肉付けしていくのは現場なので。例えば、繊細なお芝居は役者さんがつくってきてくれて、そこに演出を加えていく。それが最終的な映像になっていくんだと思います。
――全てを説明しきらない、見る人それぞれの解釈があるドラマを目指しているのでしょうか。
視聴者の方から「(7話で)とわ子がみんなと動きが合わないのは、周りの人が間違っているんですよね」という質問が来たんです。けど、人と合わないっていうことを表現しただけで、それを「誰かが間違っている」という風に解釈するのは私は違うんじゃないかと思っています。
そもそも人の行動に正解・不…