世界ジュニア制したモーグルの新星 川岡士真選手
札幌のスキー場で育った高校生が3月、ロシアであったモーグルのジュニア世界選手権の頂点に立った。北翔大学1年の川岡士真選手(18)。この夏を弱点を克服する時期と位置づけ、新たなスタートを切った。
6月5日、札幌市手稲区の札幌テイネスキー場。夏季限定のウォータージャンプ台がオープンし、川岡選手は「エア」の練習に励んだ。高さ約5メートル、長さ25メートルの傾斜をスキーで滑り、空中に飛び出して斜め軸で2回転すると、水しぶきを上げてプールに着水した。
モーグル
コブを意味するノルウェー語で、フリースタイルスキー競技のひとつ。急斜面のコブをリズム良く滑り、途中2度のエア演技を挟む。採点はターン技術6割、エア2割、スピード2割。ジャッジ採点とタイム計測の両方で順位が決まる。冬季五輪は1992年アルベールビル大会から正式種目。日本勢は98年長野で里谷多英が金メダル。男子は2018年平昌で原大智が銅。2人同時に争うデュアルモーグルは五輪種目にはなっていない。
「水上は雪上に比べ難度の高い技をしてもケガしづらい。冬におこないたい技を練習するのに、ウォータージャンプはいい」。川岡選手はスピード自慢の滑りが得意だが、途中に2本飛ぶエア演技をやや苦手にしている。空中での感覚を養うためトランポリンの練習も欠かさない。斜め軸2回転の「コーク720」を3回転に増やすべく、この夏、磨きをかけていく。
練習中、1本飛ぶたびに、母裕美さんが真正面から撮影した映像を見て、次の1本に臨む。裕美さんは「撮影の構図の指示が細かくて。帰宅してからは大画面で熱心に見直しています」。川岡選手は技の難易度を上げるにつれ、「ささいな違い、改善点を見つけやすい」と映像チェックを続けてきた。
3月のジュニア世界選手権は…
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