「英仏ソーセージ戦争」勃発 G7で両首脳が火花散らす

パリ=疋田多揚
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 13日に英国で閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)の際に行われた英仏首脳会談で、ジョンソン英首相とマクロン仏大統領が激しく対立する一幕があった。ブレグジット(英国の欧州連合〈EU〉離脱)後の輸出規制が発端で、現地メディアは「ソーセージ戦争」と伝えている。

 英仏メディアによると、「戦いの火ぶたが切られた」のは12日。ジョンソン氏はマクロン氏に「(仏南部の)トゥールーズにもソーセージがあるだろう? それがパリで売れなくなるようなものだ」と語りかけた。

 ジョンソン氏が持ち出したのは、ブレグジットをめぐる取り決めだ。英国本土から、英領北アイルランドへ冷蔵肉を運ぶ際には、検査が課されると定められている。海を挟んでいるとはいえ、同じ英国内での食品輸送に検査が課されるのに納得がいかないジョンソン氏が、取り決めの再検討を求めている。

 マクロン氏はジョンソン氏への反論で、「トゥールーズはパリと同じ国なのだから、(ジョンソン氏の)比較はおかしい」と指摘。北アイルランドが英国領であることを疑問視されたと感じたジョンソン氏の怒りの火に油を注いだという。

 仏大統領府は13日、「マクロン氏は、北アイルランドは島だから地理的条件が違うと言いたかった」と釈明。久々に足並みをそろえたG7の協調ムードに水を差さないよう躍起だ。

 EUを重視するマクロン氏はこれまで、離脱した英国に対し、「英国民はこれまで(離脱前)と同じ義務は持たないし、同じ権利を持つこともない」と述べるなど、冷淡な態度を示してきた。

 両国では3年前にも、英仏海峡でのホタテ漁規制をめぐって対立。両国の漁船の衝突に発展し、ホタテ戦争と報じられた。(パリ=疋田多揚)