箱に隠れて海外逃亡、発案したのはゴーン被告本人だった

有料会員記事主役なきゴーン法廷

金子和史、三浦淳
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 日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)を2019年末に海外に逃亡させたとして、犯人隠避の罪に問われた米軍特殊部隊「グリーンベレー」元隊員マイケル・テイラー被告(60)と息子ピーター被告(28)の初公判が14日、東京地裁であり、親子は起訴内容を認めた。検察側はマイケル被告の供述などから、大型の箱に隠れて出国する方法は「ゴーンの発案」と指摘した。

 犯罪人引き渡し条約に基づいて3月に米国から移送されたテイラー親子は、スーツにワイシャツ姿で出廷した。裁判長から起訴内容に間違いがあるかと聞かれ「ない」とだけ答えた。

 起訴状によると、親子は2019年12月29日、ゴーン元会長=会社法違反などの罪で起訴=が海外渡航禁止の条件で保釈中と知りながら、元会長を音響機器用の箱に隠し、関西空港からトルコ経由でレバノンに逃亡させたとされる。

 検察側は、冒頭陳述や供述調書の読み上げで事件の経緯を詳述した。

「日産にはめられた」 妻は何度も救出を訴えた 

 マイケル被告は19年6月ごろ、知人の紹介で元会長の妻キャロル氏(54)とレバノンで面会した。キャロル氏は「日産にはめられた。このままでは無実の罪で刑務所に入れられてしまう。日本から連れ出してほしい」と繰り返し頼んだ。

 元会長は保釈条件で弁護人から提供された1台の携帯電話以外を使うことを禁止されていたが、別の携帯でマイケル被告と連絡を取るようになった。日本で直接やり取りする役割はピーター被告が担い、来日しては弁護人の事務所などで面会を重ねたという。

 逃亡手段としてマイケル被告はプライベートジェット(PJ)の他に船も検討したが、元会長は時間がかからない空路を選んだ。同年10月から12月、今も身柄が拘束されていないジョージ・ザイエク容疑者(61)が2度来日し、全国の空港を調査。関空ではPJで出国する場合は保安検査をしていない実態を把握した。

 そのうえで、箱に身を潜める方法はゴーン元会長自身が提案。マイケル被告は大型の箱を手配し、ドリルで呼吸用の穴を開けた。

逃亡成功 ゴーンは機内で箱の上に座っていた

 逃亡当日、元会長の荷物を元…

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