災害時、避難指示出ても鈍い動き 地域の「共助」がカギ

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藤原慎一、棚橋咲月
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 災害時の二つの避難情報が5月、「避難指示」に一本化された。すでに大雨に見舞われ、住民に指示を出した自治体もある。情報を分かりやすくして確実な避難につなげるのがねらいだが、実際の避難行動にはなかなか結びつかない。専門家は、住民同士の声かけが大事だと指摘している。

 活発な梅雨前線の影響で大雨となった5月20日、福岡、熊本、鹿児島の3県の計12市町村が住民に避難指示を出した。20日は、警戒レベル4の「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に集約された初日。勧告と指示が混在し、「わかりにくい」との声があったことから国が整理した。

 だが、この日避難指示の対象となった住民計9万3620人のうち、自治体が開設した避難所に避難したのは402人。昨夏、甚大な豪雨災害に見舞われた熊本県でも、8万5227人のうち避難所を利用したのは384人だった。21日未明までの24時間降水量は、水俣市で5月の観測史上最大の247・5ミリ。球磨村も213ミリに達した。

 避難指示が出ても、浸水などの危険が低いエリアもある。また知人宅などに身を寄せた人は、避難者には算入されていない。

 それでも熊本県多良木町の担当者は「実際に行動に移してもらうことが、いかに難しいか改めて痛感した」。昨夏の豪雨で被害を受けた町は、5月の大雨で全域の9385人に避難指示を出したが、避難所に来たのは8人だった。

 今月13日夕の3時間降水量が、6月の観測史上最大の149・5ミリに達した鹿児島県天城町。避難指示は出さなかったが、これまでは「避難準備・高齢者等避難開始」や避難勧告を出しても、住民から「避難指示はいつ出るのか」という問い合わせがあったという。担当者は「指示がまだ出ていないからと避難しない人もいた。一本化でより多くの住民の避難につながるのでは」と期待する。

 ただ、住民の防災意識を高め…

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