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「コロナと闘うために医者になった」保健所長の1年

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 全国で進む新型コロナウイルスのワクチン接種。全国で1回目の接種を終えた高齢者は3割超(12日時点)だが、接種率が6割を超え、注目されているのが、東京都墨田区だ。その立役者が、西塚至・墨田区保健所長(51)。当初から、無症状者へのPCR検査を実施するなど独自の態勢を取ってきた。

 「本来、保健所長は地味な仕事。私のような者が表に出ることのない社会が理想です」。そんな西塚さんが語る「コロナ最前線」とは。

 5月中旬、墨田区内にある千葉大学のサテライトキャンパスで、高齢者向けのワクチンの個別接種が始まった。

 ワクチンの接種は、墨田中央病院が担った。一方で、重いアレルギー反応「アナフィラキシー」が起きた場合に備え、救急対応できる東京曳舟病院の医師や救急救命士、救急車も配備された。いずれも民間の病院だが、両者が協力しあえる態勢を区が主導して作り上げた。

 ワクチンを打つ墨田中央病院には「注射」という仕事に専念してもらい、何かあったら救急病院が引き受けるという態勢だ。会場から見えるところに救急車を置くことで、安心して接種してもらえるよう心理的効果も狙った。

 ワクチン接種を担った墨田中央病院の小嶋邦昭院長、それに、バックアップのために無報酬で駆けつけた東京曳舟病院の三浦邦久副院長はこの日、全く同じ言葉を口にした。

 「墨田区には、西塚所長がい…

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