馬毛島基地整備のアセス「内容が不足」地元が再検討要求

奥村智司
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 防衛省による馬毛島への自衛隊基地整備計画に伴う環境影響評価(アセス)の方法書に対し、地元の西之表市は14日、「内容が極めて不足している」と抜本的な再検討を求める意見を突き付けた。一方、隣の中種子町は「問題なし」と意見するなど、関係自治体の反応は割れた。これらを踏まえて7月末までに出される知事意見が注目される。

 同市の八板俊輔市長は計画に反対の立場。14日、市のホームページ(HP)で市長意見を公表後、記者会見し、「示された影響評価(の項目・手法)は、計画に賛成の市民にとってもデータ不足の内容だ」と述べた。

 市長意見では、現在は馬毛島に飛行場が整備されておらず、移転が計画される米空母艦載機による陸上離着陸訓練(FCLP)の試験飛行ができない、と指摘。米軍機が経路を外れて種子島上空を飛ぶ想定もなく、自衛隊機の訓練については具体的な運用も未決定だとして「少なくとも騒音において、影響は予測できない」との評価を下し、訓練の詳細の記載を求めた。

 他にも水質や土壌、マゲシカなどの生態系、景観など多くの分野で調査項目の追加や手法の改善を促した。アセスの前提となる現況の調査も「不十分」として「評価の前提から再考を求める」と記した。

 防衛省種子島の3市町をアセスの対象とするが、県は周辺の屋久島町と南大隅町を合わせた5自治体に意見を照会。いずれもHPで意見書を公開している。

 中種子町は「記載内容は航空機騒音を含め、適当と考える」と評価し、5月に実施された自衛隊機によるデモフライトの町内での騒音は「環境に影響を及ぼすレベルでない」とした。

 南種子町は港湾の「係留施設等」の詳細計画が示されておらず、「環境保全が適切に行われるか懸念される」として、計画の具体化を求めた。屋久島町は航空機の騒音と低周波音について、種子島の3市町と同様の調査を要請。南大隅町は、馬毛島周辺が同町の漁業者の漁場にあたることから「騒音と振動の定期的な調査」を求めた。

 5市町や一般からの意見を踏まえ、塩田康一知事は7月29日までに意見書を同省に送る。内容を公表することにしている。(奥村智司)