「母の日感しんどい」きっと20日も 亡父への思い募る

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篠健一郎
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 6月20日の「父の日」に合わせて、「死んだ父の日展」と名付けられたオンライン展示会が開かれている。亡くなった父に贈るメッセージをネット上で集めたもので、20歳の大学生らが企画した。父を亡くした人であれば誰でも応募できる。きっかけは、中学生で母を亡くした女性の、あるひと言だった。

 今年の「母の日」にあたる5月9日。東京都の大学生、前田陽汰(ひなた)さん(20)は、中学生のときに母を亡くしたという10代後半の知人女性の話に耳を傾けていた。街中では母の日用のプレゼントが売られ、SNS上では母の日のエピソードの投稿であふれていた。

 「世の中の『母の日』感がしんどい」

 女性がふとそうこぼした。母が生きていれば、カーネーションを贈ったり、料理を作ったりできる。でも自分は、仏壇に手を合わせても、お墓に花を供えても、母からの反応はない。友人たちの姿がうらやましく、自分は取り残され、ひとりぼっちのような気分だった――。

 女性はさらにこんな話を続けた。どんなに願っても死んでしまったら、会うことはできない。どうにかして、天国にいる母とつながれるような空間が作れないだろうか。そんな空間で、思いをつづれば、それが母に届くのではないか。

 女性の話を聞いて、前田さんは同僚と「きっと父の日でも同じような思いをする人がいるのではないか」と考えた。6月9日に開設した「死んだ父の日展」のサイトには、こんなメッセージが並ぶ。

     ◇

 お父さん。

 いまどうしていますか。

 そちらでも忙しくしてますか。

 ときどき夢に出てきてくれて…

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