コロナ禍で人気上昇、都会と地方の「二拠点生活」

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小林直子
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 都会と地方の双方に住まいを持つ「二拠点生活」を希望する人が増えている。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だ。旅行などで自然にふれることが難しくなったり、在宅勤務が当たり前になったり。後押しする民間のサービスも好調だ。

 大阪市内の会社で働く其田有輝也(ゆきや)さん(29)は昨年8月、香川県内に家を買い、妻の百合香さん(29)と一緒に住み始めた。海にも山にも近い築100年の古民家だ。

 百合香さんは同県内で働いており、二人は別々に住んできた。田舎に軸を置いて一緒に過ごしたいと思いつつも、仕事を考えると踏み切れなかった。「家族の拠点をどこに置くか悩んでいた」という。

 そこでコロナ禍にみまわれた。昨春の緊急事態宣言中は、互いの住まいを行き来できなくなった。一方で勤務先はテレワークを導入し、毎日出勤する必要がなくなった。「今しかない」と決断した。

 いまは大半を香川で過ごし、顧客との契約などがあるときだけ京都市内の賃貸マンションで過ごし、職場へ行く「二拠点生活」だ。香川では、終業後に副業のカメラマンとしての仕事をしたり、夫婦で家を住みやすく改装したりするのが楽しい。「生活への満足度はコロナ禍前より上がったと思う」と言う。

高まるニーズ、人気のエリアは?

 こうしたニーズは高まっている。

 リクルートが今年1月、東京都内在住の20~69歳の男女約1万人にインターネット上で調査したところ、新型コロナウイルスの感染拡大で「地方移住、二拠点居住への関心が生まれた・高まった」と回答した人は52%を占めた。また、同社の別の調査では、二拠点生活への意向を持つ人の割合が18年11月の14%に対し、コロナ禍後の昨年7月は27・4%。13・4ポイント増えていた。

 以前なら休日の外出や旅行で、自然のある地域へ行くことができたが、自粛傾向が続く中でハードルが高い。「飲み会もできず、欲求や消費の出し場がないことで地方への関心が高まった」と、リクルートが運営する不動産情報サイト「SUUMO」の笠松美香副編集長は分析する。

 とはいえ、そうした欲求は一気に田舎暮らしに向かうのではなく、東京の郊外や神奈川など都心から近いエリアが人気なのだという。「地方でも移動そのものが歓迎されないので、向かう先の距離は短く、生活圏も大きくは変わらないところが多い」。東京圏のマンションの価値も下がっていないという。

 こんな生活を後押しする民間サービスも好調だ。

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