「大豆田とわ子」はキッチンに 料理監修の伝えるリアル

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編集委員・長沢美津子
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 15日に最終回を迎えるドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(松たか子主演、関西テレビ・フジテレビ系、同日午後9時半、全10回)には、登場人物たちの都会生活を彩る食のシーンが多く描かれる。隅々まで美意識が行き届き、何よりおいしそう。緊張感のある会話劇に寄り添って、作る一品、食べるひと皿が、ままならない人生の喜怒哀楽をリアルに映す。食いしん坊の視聴者が「やっぱり」とうなずくのは、料理監修をフードスタイリストの飯島奈美さんがつとめているからだ。

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 「大豆田とわ子と三人の元夫」 カンテレドーガ/TVerで見逃し配信中

 飯島さんは「かもめ食堂」や「ごちそうさん」など、食をテーマにした作品を多く手がけてきた。今回の脚本家坂元裕二さんの前作「カルテット」でも、鶏のからあげにレモンをかけるかどうか食卓で論争する場面が、視聴者の食欲を刺激して「飯テロ」と話題になった。

 飯島さんは、「大豆田とわ子」について「特にこれまでの作品と違うわけではなく、料理を作ることが自然かどうかを心がけている」「とわ子は生きることを楽しんでいる人。料理も自由な発想でおおらかに、少しオシャレに作ろうと思いました」という。

 ドラマの初回、シングルマザーの母親を手伝って、キッチンに立つ少女期のとわ子が描かれる。大根の短冊切りを教わるのも、ぎこちない手つきでギョーザを包むのも楽しそうだ。回を追って「ひとりでも生きていける」ことが何度も語られていくが、人生を自分の足で歩むのに、料理は役立つスキルだと印象づける場面だった。

 「とわ子は、料理を作ること…

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