コロナで露呈 危機に弱い政府で首都直下地震は大丈夫か

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編集委員・原真人
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原真人の「多事奏論」 拡大版

 コロナ禍が教えてくれたことの一つは、いざという時に国民の命を守ってくれる政府という存在の大切さである。同時に日本政府にはその力と意志が決定的に欠けているのではないか、という疑念も生んだ。

 PCR検査数も、ワクチン接種のスピードも日本は先進国で最下位だった。生活を脅かされている人々への現金給付の手際に至っては新興国にさえひけをとっていた。世界トップ級とされてきた日本の医療体制は、コロナ感染が少し広がっただけで崩壊寸前になる見かけ倒しの代物だった。

 「危機に弱い日本政府」という致命的な課題が浮かび上がったいま、大きな不安が頭をもたげてくる。この地震多発の火山列島に住む私たちは巨大災害時にこの政府をどこまで信用できるのだろうか、と。

 元金融庁長官の畑中龍太郎さん(68)は「首都直下地震は東日本大震災をはるかに超える事態を想定しておく必要がある」と警告する。「霞が関の庁舎が崩壊して機能しない、大臣や長官が執務不能になった、なんてことだって十分ありえるからです」

 10年前の大震災では監督局長として金融面から被災者支援に奔走した。発生当日、すぐに金融相と日銀総裁の連名で金融機関に非常時の対応を要請した。家を失った被災者たちが通帳を紛失していても預金の引き出しに応じてほしい、貸出金の返済猶予に応じてもらえないか――などと求めたのだ。

 震災発生の3日後には、申請…

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