平家の落人由来? 青森・島守弁を残す「逆引き辞典」

横山蔵利
【動画】青森県南部の島守弁を残そうと「逆引き辞典」を発行=横山蔵利撮影
[PR]

 勢いよく行く(ノノメグ)、人形(ズンジョウ)――。平家の落人が流れ着いたと伝わる青森県八戸市の島守地区。津軽弁でも南部弁でもない方言を育んできた。地元の自治会が、失われつつある方言を残そうと、4年前の「島守弁ミニ事典」に続く第2弾、「島守弁逆引き辞典」を完成させた。

 島守は八戸市の南方、岩手との県境に位置する。平安時代末期、源氏との戦いに敗れた平家一族がたどり着いた場所とされ、南部弁とも異なる独自の島守弁が生まれたという。ただ、時の流れとともに、お年寄り以外で使う人や理解できる人は少なくなっている。

 このため島守地区自治会連合会は、島守の方言を後世に残しながら地域の活性化につなげようと委員会を発足させ、2017年に島守弁約1800語を標準語に訳した「島守弁ミニ事典」を発行した。今回はそれに次ぐもので、英語の辞典に例えると前回が英和辞典、今回が和英辞典になる。同連合会の堰端治会長(81)は「言葉は、時代背景を含めて、地域文化そのもの。文化をつなぐためにも島守弁を知ってほしい」と訴え、委員会の中村悟志さん(69)は「このままでは島守弁が消えてしまう。記録しておかなければいけないとの思いで作りました」と話した。

 逆引き辞典は、前回より50語ほど増やしたほか、「チョァ テンノーリダ ヘーデ ノムベァ(今日は 終わったから 飲もう)」といった例文も掲載している。自費出版で約50ページ、450部を製作した。価格は550円(税込み)で、八戸市の伊吉書院、カネイリで販売している。(横山蔵利)