五輪選手のルール、実効性は? 官邸幹部「頭が痛い」

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前田大輔、小野太郎
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 東京五輪パラリンピック大会組織委員会が15日に公表した第3版のプレーブックは、選手らの行動管理や新型コロナの検査態勢を厳格化し、違反者の制裁も強化する内容となった。この改定には菅義偉首相が掲げる「安心・安全の大会」の実効性を高め、五輪への理解を国内外にアピールするねらいがある。

 「具体的な対策を明記することで選手、都民、国民に安全安心な大会が遂行できると感じてもらえれば」。同日夜に記者会見した組織委の中村英正・運営統括は今回の改定の意義をこう強調した。

 前回改定後に指摘された「穴」を埋める対策も盛り込んだ。例えば、選手が毎日受ける唾液(だえき)の抗原定量検査について、検査前に歯磨きをすると精度が落ちることが指摘されたが、今回、検査前30分以内の歯磨きや飲食、喫煙などを控えるよう明記。関係者によると、抜き打ち検査の実施を検討するという。選手らの行動を管理するスマートフォンのGPS機能は、電源を切ったりホテルに放置したりすることが懸念されたが、組織委はこうした行為もペナルティーの対象となるとの考えを示した。

 東京五輪について、菅首相は英国であった主要7カ国首脳会議(G7サミット)後、「全首脳から大変力強い支持をいただいた」と述べた。首脳宣言は「安全・安心な形での大会開催を支持」と盛り込んだ。

 コロナ禍のもとで世界最大級のイベントである五輪を安全に開けるのか、世界の視線が注がれている。海外から来日する選手は約1万5千人で、国際競技団体や海外メディアなどの大会関係者も計約7万8千人と見込まれる。「五輪が引き金になって感染拡大となれば、首相の政治責任になる」。首相周辺は、そんな見方を示す。

 第3版で具体化した制裁には、参加資格の剝奪(はくだつ)や国外退去措置なども明記された。菅首相は5月28日の記者会見で「悪質な違反者については国外退去を求めたい」と述べていた。政府の説明では、選手や大会関係者が入国前に提出する誓約書を守る意思がなく、違反行為があった場合、出入国在留管理庁が総合的に判断し、退去強制手続きをとることが可能だとする。

 では、厳しい規制の実効性は…

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