金正恩氏「食糧事情が厳しい」 防疫態勢も長期化へ

ソウル=神谷毅
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 北朝鮮は15日、朝鮮労働党中央委員会総会を開き、金正恩(キムジョンウン)総書記が昨年の台風の影響で「食糧事情が厳しい」と苦境に陥っていることを認めた。1月の党大会で示した重要政策を点検し、対策を示す中で述べた。正恩氏は会議は16日も続け国際情勢なども議論するとしており、米国の対北朝鮮政策などについて言及がある可能性もある。

 朝鮮中央通信が16日、報じた。正恩氏は「昨年の台風で穀物の生産計画が未達となっている」として、「農業を最も重視し最優先に解決しなければいけない」と強調した。

 北朝鮮新型コロナウイルスの流入を防ぐため中朝国境を封鎖している。国境封鎖は緩められる可能性もあるが、正恩氏は厳しい防疫態勢が長期化すると指摘し、「経済全般の維持と衣食住の保障のための戦いも長期化する」と語り、経済への影響は今後も避けられないとの見通しを示した。

 食糧を含む経済事情がさらに厳しくなることが予想されることから、北朝鮮は最近、思想統制などを強化している。正恩氏は総会で社会主義の優越性を強調し「反社会主義、非社会主義との戦いをさらに展開する」と述べたが、不満を抑えるためとみられる。(ソウル=神谷毅)