以前の自分ではできなかった 森友問題、夫の自死を語る

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清水大輔、依光隆明
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 学校法人森友学園への国有地売却に関わる公文書の改ざんを強いられ、その後自死した財務省近畿財務局(近財)職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(50)が、各地を訪ね、国を相手に訴訟を続ける思いを語っている。夫の突然の死に、人と話すのがつらい時期もあった。それでも動くのは、「真相を知りたい」という思いに共感が広がればと願うからだ。

 「一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い、来ました」。今月5日、札幌市内の集会所。雅子さんはついたて越しに、市民団体の主催で集まった20人あまりを前に、俊夫さんが亡くなった経緯や訴訟について語った。3年前に俊夫さんが亡くなって以降、一般の人に語ったのは初めてだったという。

 関西の自宅を離れ、夫の死を語るようになったきっかけは、5月初め、高知新聞から取材を申し込まれたことだった。自宅まで赴くという記者の熱意に、「足を運んだ方が思いが伝わる」と自ら高知に行くことを思い立った。

 訴えたのは「黒塗りは絶対に許さない」という思いだった。同じころ、改ざんの経緯を俊夫さんが記した「赤木ファイル」の存在を裁判手続きの中で国が認めた。次の口頭弁論がある23日には任意提出される見通しだが、すべての内容が公表されるかは定かでない。「誰が、どんな言葉で、何を指示したのか。真実を知りたい」。全面公開のために、世論の後押しが必要だと考えるようになった。

 「少し前の自分であれば考えられないこと」と雅子さんは話す。夫を失ったショック、近財や財務省への不信……。人前で話そうとしても、「すぐに涙が出て嗚咽(おえつ)する。感情が高まってしまっていた」という。

 昨年3月に国などを相手に提訴した後、問題の再調査を求めるネット署名を始めると35万筆以上が集まった。「応援してくれる人がいる」。これを機に、名前を明かして取材に応じるようにもなった。

 先月以降、沖縄、高知、長野…

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