弟はなぜ殺された 街頭に立つ姉「もう私しかいない」

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祝迫勝之
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 弟はなぜ殺されなければならなかったのか。当時27歳で、21年が過ぎた。父と母は毎年その日、現場近くの街頭に立ち、犯人の情報を求め続けた。父は8年半前に亡くなり、1人で続けていた母も3年前、弟と父の元へ旅立った。つらくてずっと近づけなかったあの現場。「もう私しかいない」。姉はそこに立つ決心をつけた。

 2000年3月11日午前4時40分ごろ、陸上自衛官の切明(きりあけ)信行さんが、福岡県久留米市日吉町の歩道で何者かに刺されて亡くなった。駐屯地の送別会から帰宅途中だったという。

 「弟はなんで事件に巻き込まれたのか、犯人はなぜそうしなければいけなかったのか。もしかして恨みなのかと色々考えるけど、二つ違いの弟は優しかったイメージしかない」

 姉の恵美さん(50)=福岡県八女市=は絞り出した。

 父の静馬さんと母の千代香さんは3月11日が来るたび、現場近くの駅周辺で、県警久留米署員らと一緒に情報を求めるチラシを配った。

 父は12年12月5日、病気で亡くなった。68歳だった。母は翌年以降も署員らと街頭に立った。

 恵美さんは母に「あなたも行…

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