関心低く「絶望的雰囲気」 イラン大統領選、18日投票
イラン大統領選が18日に投票される。だが、選挙への関心は低調で、投票率が過去最低となる可能性が高まっている。1979年のイスラム革命から続く統治の仕組みを護持したい体制側の思惑が反発を招き、内政が不安定になる恐れもある。
14日夜、テヘラン中心部の広場で、テンポの速い音楽が鳴り響いていた。大統領選の最有力候補で保守強硬派のライシ司法長官の陣営が開いた選挙集会で、支援者など約1千人が集まった。
会場ではライシ師の顔写真が印刷された何種類ものチラシが配られ、特設ステージでは合唱や踊りが披露された。
その3日前、最高指導者ハメネイ師直属の軍事組織、革命防衛隊に関わる仕事に就く40代の男性は、今回の集会に参加するよう勤務先から促されていた。だが、この日、男性の姿は会場になかった。「選挙の結果は見えているし、別の用事があったから」
会場に並べられたパイプ椅子には空席が目立ち、集会の終了前に席を立つ人が相次ぐ。事前の予測に反してライシ師本人が登場せず、新型コロナウイルスの感染拡大が収まっていないことも理由だろう。
ただ、演出された「熱気」は、今回の選挙戦の特徴を表しているとも言える。国内では、ハメネイ師の周辺による「仕組まれた選挙」とさえ形容されているのだ。
背景には、ハメネイ師の強い…