中国、原発燃料棒の一部破損認める 放射能漏れは否定
北京=高田正幸
米CNNが中国・台山原子力発電所の放射能漏れの疑いを報じたことをめぐり、中国の生態環境省は16日、同省のウェブサイトで見解を公表し、燃料棒の一部が破損して原子炉圧力容器内の1次冷却水の放射線量が上昇していると明らかにした。施設外への放射能漏れについては「存在しない」と否定した。
同省は中国当局が原発周辺の放射線量の許容値を引き上げたとする報道については「事実ではない」と否定。「周辺の環境に異常はない」と強調した。
同省によると、同原発1号機の燃料棒計約6万本のうち約5本を覆う管が破損し、1次冷却水の放射線量が上昇しているという。同省は、放射線量は「規定の範囲内」に収まっているとした。
ただ、放射線量の限度値について「審査・承認」したともしている。「審査・承認」の内容は不明だが、「運転継続のため、(運転停止の目安となる)放射線量の許容値を引き上げたことを意味している可能性がある」(日本の原発専門家)との指摘もある。(北京=高田正幸)
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