次期衆院選の徳島1区を巡り、野党の足並みがそろわない。与党・自民党は、徳島県連が現職の後藤田正純氏(51)の非公認を党本部に申し入れ、党内対立が顕在化。与党候補に勝てる「千載一遇のチャンス」(野党関係者)でもあるが、いまだに野党は公認候補擁立には至っておらず、共闘の合意もない。1区には飯泉嘉門知事の立候補も取りざたされる中、野党関係者からは「本気にならないと、はじき飛ばされる」と焦りの声も聞かれる。
野党系では前回選挙に続き、元職の仁木博文氏(55)の1区での立候補が確実視されている。医師でもある仁木氏は「新型コロナウイルス対策などで有権者からの期待を感じる」。
だが、野党内に「しこり」がある仁木氏が、次期選挙の野党統一候補になるかどうかは不透明な状況だ。仁木氏は2017年の前回選挙直前、民進党から希望の党に移った。このため野党共闘は不成立となり、共産党が独自候補を擁立した経緯があるからだ。
だが昨秋、野党関係者を驚かせる出来事があった。野党の県代表らが集った会合で、共産党の上村秀明・県委員長が「過去は問わない」として、野党統一候補は仁木氏を軸に考えていることを表明した。
上村氏は「前回の得票数では、仁木氏と共産候補の分を足すと、(後藤田氏の得票まで)あと5千票。今回は勝てることにこだわる。政策で前向きな一致ができるなら、不満はあるが、前を向いて政治を変える方がベターだ」と真意を明かす。
その一方、与党との対立軸を明確にする野党の「公認」を巡っては駆け引きが続く。
仁木氏は立憲民主党から2月…