「復興五輪」響かないけど… 仲間失った男性が走る理由

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中山直樹
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 東京五輪聖火リレーが16日、東日本大震災で甚大な被害が出た岩手県に入った。消防団の仲間11人と父を失ったあの日から10年。理容店を営み、今も団の活動を続ける米沢伸吾さん(44)は17日、聖火リレーのランナーとして地元の岩手県陸前高田市を走る。

 家や電柱、車をのみ込んだ波が黒い壁のように迫ってくる。2011年3月11日、大きな揺れに車で店を飛び出し、保育園で避難を呼びかけたあとだった。近くにいた高齢者2人を乗せ、高台へ必死に逃げた。

捜索、遺体搬送「俺たちがやるしかない」

 翌日、消防団員は生存者の捜索と遺体の搬送のため呼び出された。約130人いた高田町の団員のうち集まったのは十数人。リーダーが言った。「他はいなくなったものだと思え。俺たちがやるしかない」

 自衛隊や警察が重機でがれきを掘り起こし、遺体を見つけると木材を立て、目印にする。その場に行っては、トラックに遺体を乗せる作業を1カ月続けた。

 50人以上の遺体を運ぶ日も…

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