「裁判官の独立、人権に重大な脅威」 訴追に判事が反論

有料会員記事

[PR]

 SNSでの不適切な投稿が問題視された仙台高裁の岡口基一判事(55)について、国会の裁判官訴追委員会(委員長・新藤義孝衆院議員)は16日、裁判官弾劾(だんがい)裁判所に罷免(ひめん)(免職)を求めて訴追すると決めた。国会の弾劾裁判所(裁判長・船田元(はじめ)衆院議員)が開かれ、罷免するかどうかが審理される。岡口氏側は、罷免される理由がないと主張するという。

訴追は2012年以来、9人目

 訴追は2012年に大阪地裁の判事補が盗撮事件でされて以来、9人目。過去に訴追された8人(のべ9人)のうち、7人が弾劾裁判で罷免されている。

 訴追の対象について、新藤委員長は記者団に「刑事・民事事件の関係者に対するSNSなどの様々な表現行為」と述べた。ただ、具体的な行為や判断理由は、「議事は原則非公開」として明かさなかった。12件の訴追請求を受けて岡口氏から事情を聴くなどして「極めて慎重かつ積極的に議論した」とも話した。

 岡口氏はSNS上で主に政治・司法の分野で実名で発信してきた。性的少数者ヘイトスピーチの被害者ら社会的に立場の弱い人を擁護する投稿も多かった。ただ、女子高生が殺された事件をめぐる17年12月の投稿で厳重注意されたほか、犬の所有権に関する訴訟で18年5月に「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ」などと書いて戒告処分を受けた。

 19年11月にも、投稿に抗議した殺人事件の遺族について「(裁判所に)洗脳されて非難している」と書き込み、再び戒告処分になった。訴追委は、この19年11月の書き込みを主な審議対象にしたとみられる。

 今後開かれる弾劾裁判は公開の法廷で行われ、裁判員となる14人の国会議員のうち、審理に関わった議員の3分の2以上が賛成すれば罷免となる。不服申し立てはできず、即時確定して法曹資格を失う。退職金は出ない。近年の事例では、訴追から数カ月で公判が開かれている。

専門家「訴追は裁判官の節度を意識しすぎだ」

 「罷免事由に該当するような行為は全くなく、弾劾裁判で主張していく」

 岡口氏の代理人はそうコメントし、全面的に争う意向を示した。訴追の決定には「裁判官の独立、裁判官の人権や表現の自由に対する重大な脅威だ」と批判した。

 弾劾裁判所への訴追は過去に…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。