もたれ合う東芝と経産省 「近すぎる」関係が招いた失敗

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内藤尚志
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東芝本社の看板
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 東芝と経済産業省による株主総会への介入疑惑が混迷を深めている。東芝が再調査を約束したのに、経産省は問題を否定して調査もしない方針だ。東芝は4年前の経営危機を受けて、一時は経産省から距離をおく動きを見せた。「もの言う株主」の攻勢を受けて再び密接になったが、今回の問題発覚をきっかけに関係の透明化が求められる。

 「国の安全の確保は経済活動の大前提」「経産省の政策として当然のこと」

 梶山弘志経産相は15日の会見で、特別扱いすべき企業があるという主張を展開した。東芝が手がける原発や防衛といった事業は安全保障にかかわる。だからこそ経営を安定させる必要があり、介入は当然だというわけだ。

 外部の弁護士による調査報告は多くの疑惑を指摘している。経産省は「事実関係に疑問をもたざるを得ない箇所がある」(梶山氏)として受け入れていない。

 問題視されているのは、東芝が昨夏に開いた株主総会の運営だ。報告によると、筆頭株主の海外ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」が出した人事案が通らないように、東芝と経産省が連携して一部の株主に不当な圧力をかけたという。経産省の幹部は守秘義務に反して、東芝の幹部に情報を伝えていたとも指摘されている。

東芝は更迭人事発表

 東芝は14日の会見で、永山治・取締役会議長が東芝幹部と経産省の関係について、「コンプライアンス(法令や社会規範の順守)上、ガバナンス(企業統治)上の課題が多い」と述べた。報告の内容を重くみて、関係者の更迭人事も発表している。経産省との姿勢の違いが際立つ。

 東芝と経産省の関係に「すきま風」が吹き始めたようにも見える。同じような状況は2017年にも生じていた。

 当時の東芝は、グループの営…

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