FRB、ゼロ金利解除23年に前倒し 景気回復で見通し

ワシントン=青山直篤
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 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、2021年の米経済が第4四半期(10~12月)の前年比で従来予想(6・5%)を上回る7・0%の急回復を果たし、23年には「ゼロ金利解除」(利上げ)に踏み切るとの見通しを示した。足元の景気回復や物価上昇を踏まえ、24年以降になると見込んでいた利上げ時期について、前倒しする方向だ。

 16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で昨春のコロナ危機以降続けているゼロ金利政策の維持を決め、今後の経済予測を示した。

 声明では「感染大流行が米国や世界に甚大な人的・経済的困難を引き起こしている」との文言を削除し、「ワクチンの普及により、米国内の新型コロナウイルスの感染は減ってきた」と明記。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で「米経済は非常に好調に回復している」と述べた。

 今回のFOMC参加者18人のうち13人が23年に利上げすることになると判断しており、中央値でみると、23年中の利上げは2回に及ぶ可能性がある。前回3月の時点では、少なくとも23年末まではゼロ金利を保つとの予想が示されていた。

 足元で物価上昇に弾みが付いており、FRBも、21年第4四半期には前年比3・4%、食品とエネルギーを除く「コア」で同3・0%と強いインフレを見込む。ただ、パウエル氏は「主として経済再開に伴うものだ」と語り、激しい物価上昇は一時的にとどまるとの従来の見方を保った。

 今後は、米国債などを買い上げる「量的緩和」の縮小も焦点になる。FRBは従来の量的緩和を「雇用最大化と物価安定に向け、実質的に一層の進展があるまで続ける」との立場だ。パウエル氏は、今回のFOMCで縮小についての予備的な議論に入ったとの認識を示した上で、「今後のFOMCで進展の度合いについて検証を続ける。(縮小について)時期はまったく決まっていない」と述べるにとどめた。

 金融引き締めが想定より早まりそうだとの見方から、16日の米国株式市場ではダウ工業株平均が265・66ドル(0・77%)下落。その流れを引き継ぎ、17日の東京株式市場でも日経平均株価は前日より141円67銭安い2万9149円34銭で取引が始まり、下げ幅は一時400円を超えた。

 一方、為替市場では1ドル=110円70銭前後と前日夕より円安が進む。輸出企業には追い風となるため、株価について「朝方の売りが一巡すれば、その後は下げ渋る展開も見られそうだ」(野村証券の沢田麻希氏)との声も出ている。(ワシントン=青山直篤)