コロナ禍の博多の夏 「飾り山」制作に挑む若き人形師

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貞松慎二郎
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 福岡市の夏の風物詩、博多祇園山笠に向けて、飾り山の制作が大詰めを迎えている。博多人形師の小副川(おそえがわ)太郎さん(43)にとっては、初めて中心になって仕上げる飾り山。昨年5月に72歳で亡くなった博多祇園山笠人形師之会会長・亀田均さんから新天町の担当を引き継ぎ、ひとしおの思いでコロナ下の祭りを迎えようとしている。

 力強く街を駆ける舁(か)き山は2年連続で登場せず、趣向を凝らした飾り山が市内12カ所で7月1日から公開される今年の博多祇園山笠。山笠は前を「表」、後ろを「見送り」と呼ぶ。今年、九番山笠の新天町の表は「平家物語」に描かれた、源氏方の武将・熊谷直実(なおざね)が平家の若武者・平敦盛を討つ場面が題材。見送りは恒例のサザエさんで、おなじみのキャラクターをちりばめる。

 飾り山は新天町商店街のシンボルだ。責任者の楢崎慶司総務(63)は、病床に伏していた亀田さんから「若手の有望株がいる。大丈夫だから」と、後任に小副川さんを推薦されたという。「亀田さんの紹介なら間違いない。勢いのある飾り山を作ってもらいたい」と期待を込める。

 大学卒業後、土木系の会社に就職した小副川さん。父の祐二さん(74)も博多人形師だが、「仕事風景は見たことがなかった」。東京で働くうちに、自分で作ったもので生計を立てる職人の世界に興味がわいたという。28歳のころ、父でも、亀田さんでもない別の人形師に弟子入りした。

 実力が評価され、若手の登竜…

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