マルクスも想定しない新階級の台頭 同類婚が格差を拡大

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聞き手 ワシントン=青山直篤
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 グローバル化は世界全体の格差を縮小させた半面、先進国内で中間層の没落ももたらした。こんな所得分布のゆがみを解き明かした経済学者、ブランコ・ミラノビッチさんは新著で、いま世界を覆っているのは米国と中国の「二つの資本主義」だと語る。不平等の拡大と腐敗も招く構造をはらみつつ、資本主義はどこへ向かうのか。

 ――あなたが作った、冷戦後の世界の所得分布を示す「象グラフ」は、先進国の中間層の没落を可視化し、注目されました。

 「『象グラフ』のポイントは三つです。中国やベトナムなどアジア諸国の中間層が所得を増やしたこと。日本を含む豊かな先進国の中間層の所得が増えなかったこと。世界の上位1%にあたる超富裕層が巨額の利益を得たことです。均一でないこの変化をもたらしたのが、グローバル化でした」

 1953年生まれ。世界銀行を経てニューヨーク市立大学大学院センターのシニアスカラー。主著に「大不平等」「資本主義だけ残った」。

 ――世界全体の不平等は是正されたが、先進国内では格差が広がった、ということですね。

 「レーガンやクリントン、サッチャーなどグローバル化を進めたリーダーは、国民に『大半の人は所得が伸びず、新興国で3分の1の給料で同じ仕事をする人々との競争になる』とは言いませんでしたが、結果的にそうなりました」

 「コロナ禍でこの傾向が改善されるとは思えません。リモートワークが普及し、ITでその作業を低賃金でやれる労働者が東欧など世界中にいます。先進国の中間層はますます圧迫されるでしょう」

 ――コロナ下で米国のバイデン大統領が、自由化路線の修正を打ち出したことをどう思いますか。

記事の後半では、ミラノビッチ氏が資本主義の下、「格差」が広がる構図について解説します。さらに、日本についても言及します。

 「1930年代、世界恐慌下でニューディール政策を進めたルーズベルト大統領を模範に、格差是正を進めようというバイデン氏の路線には同意します。米国は80年代以降、市場放任の『レーガノミクス』の流れが続いてきましたが、行き詰まりは明らかでした。米国民の変革への要求は切実で、バイデン氏は成功するでしょう」

 ――中国との対立を「民主主義国家と専制主義国家の闘い」と位置づけていることはどうですか。

 「そのような価値観を巡る対…

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