名古屋のミニシアターが苦境 「閉館を覚悟している」

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根本晃
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 名古屋を代表する老舗ミニシアター(小規模映画館)が、コロナ下で苦境に陥っている。商業性の薄いインディーズ映画など、大規模な映画館では上映が難しい、多様な作品を伝える場が失われる可能性がある。

 5月中旬、名古屋駅近くの「シネマスコーレ」。この日の午後のとある上映回で、51ある客席のうち、埋まっていたのは3席だけだった。平日の昼間にしても寂しい状況だ。

 スコーレがオープンしたのは1983年。映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」などで知られる故・若松孝二監督が、「若い映画監督に作品を上映する場所を提供したい」との思いをもとに立ち上げたのが始まりだ。

 支配人の木全(きまた)純治さん(72)によると、国内のインディーズ映画をはじめ韓国、香港、中国など世間ではなじみが薄くても、良質な映画を上映し続けてきたという。

 売上高は、コロナ禍前で月350万円ほど。支出は人件費や家賃などの固定費で170万円。フィルムの仕入れ代などで更に170万円が加わり、利益はほとんど出ないという。

 綱渡りの経営が続いていたところに、コロナ禍が直撃した。昨年、最初の緊急事態宣言が出た4月から5月下旬まで臨時休業し、年間の売上高は前年の3分の2に減少。年間で800万円近い赤字となるところだったが、国や愛知県の給付金をはじめ、クラウドファンディング(CF)、オリジナルTシャツの販売などでどうにか穴埋めできた。

 だが、木全さんは「今年が大変なんです」と表情を曇らせる。2年目のコロナ禍を迎え、行政からの補助金やCFは昨年より乏しい。いまは毎月30万円強の赤字を計上しているといい、このペースが続けば1年で400万円近くに膨らむ。

 8月以降、売り上げがコロナ禍前の9割程度まで回復すれば、なんとか乗り越えられる計算だ。過去に返済に苦労した経験から借入金はなるべく避けたいが、秋までに回復しない場合は検討せざるを得ないという。

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 苦しい経営状況に頭を悩ませる一方で、こんな明るい話題もあった。

 5月下旬、つきあいのあった…

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