妻失い、初めて迎える娘の命日 ボート事故死から11年

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本井宏人
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 浜松市浜名湖で、愛知県豊橋市立章南中学1年の西野花菜(かな)さん(当時12)が亡くなったボート転覆事故から18日で11年。父の友章さん(62)には、妻の光美さんが他界して初めて迎える一人娘の命日になる。学校での事故防止をめざして一緒に闘った妻がいない日々はつらいが、講演などの活動を続けている。

 光美さんは昨年12月3日、肺炎のため59歳で亡くなった。15年ほど前から中枢神経系の難病の多発性硬化症を患い、19回目の入院中だった。昨夏にパラリンピック自転車競技を観戦するため夫婦で静岡県伊豆市の宿を予約し、競技が延期になっても宿泊したのが最後の外出だった。9月に入院したまま、帰宅もかなわなかった。

 ボート事故の後、豊橋市や学校の対応に納得がいかず、夫婦で損害賠償請求を提訴し、法廷には欠かさず2人で通った。2012年に和解した後は、自ら花菜さんの絵本を出版した以外は光美さんはあまり表に出ず、友章さんの活動に助言し、支えてきた。

浜名湖ボート転覆事故

浜名湖で2010年6月18日、体験訓練中の豊橋市立章南中1年生と引率教員の20人が乗り、悪天候で動けなくなった手こぎボートが、モーターボートに引航される途中で転覆。西野花菜さんが水死した。引航していた静岡県立三ケ日青年の家の所長(当時)が業務上過失致死罪で有罪判決を受けた。

 事故の翌年から、市は6月18日を「豊橋・学校いのちの日」と定め、各校が安全や危機管理に取り組む。友章さんが初めて章南中で教職員向けに講演した昨年の「いのちの日」には、光美さんに後で様子を報告すると、納得した様子でうなずいていたという。

 光美さんはこの3年ほどは…

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