岸防衛相、EU議会で中国批判 「現状変更の試み執拗」

松山尚幹、菅原普
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 岸信夫防衛相は17日、欧州連合(EU)議会の安全保障・防衛小委員会にオンライン形式で出席した。日本の防衛相が参加するのは初めて。岸氏は「中国は東シナ海南シナ海で力を背景とした一方的な現状変更の試みを執拗(しつよう)に継続している」と中国を名指しで批判し、インド太平洋地域での連携を呼びかけた。

 EUは4月には「インド太平洋戦略」を策定。EU加盟のドイツのほか、英国など欧州の国々が同地域に艦船を派遣する動きもある。今回、同委員会はインド太平洋戦略を具体化していくにあたり、岸氏に出席を求めた。

 中国の海洋進出を警戒する日本にとって、日米や日米豪印の「Quad(クアッド)」に加え、EUを巻き込んだ枠組みをつくることは、安全保障上の重要な戦略の一つ。岸氏は欧州の対外貿易の4割が南シナ海を経由する点に触れ、「この海域の安全は欧州に直接影響する問題」として、連携を訴えた。また、中国が軍事的圧力を高める台湾についても、「台湾をめぐる情勢の安定は国際社会の安定にとっても重要」などと指摘した。

 茂木敏充外相も1月、EU外務理事会にオンライン形式で出席し、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)構想」を説明。5月の日本とEUの定期首脳協議では、共同声明にFOIPや台湾情勢に関する文言も盛り込まれた。外務省関係者は「日本の問題意識が、EUと着実に共有できつつある」と話した。(松山尚幹、菅原普)