余った木材、金沢の建築会社が無料提供 SNSを活用

佐藤美千代
[PR]

 【石川】住宅を建てる際に余った木材を消費者に無料で譲るサービスを、金沢市の建築会社が始めた。資源の無駄や処分のコストを省きつつ、木材が必要な人に喜ばれる一石二鳥の試みとして、注目されている。

 金沢市大河端町の「家元」(羽田和政代表)は6月、「残材BANK(バンク)」をスタートさせた。施主の了解が得られた建築現場で、余った木材の写真、サイズ、渡せる期間などをインスタグラム(@zanzaibank_iemoto)に投稿し、引き取り手を募る。希望者とは個別にメッセージをやりとりし、取りに来てもらう。

 同社によると最近、住宅の構造材は工場でカットされるため、建築時にほとんど無駄は出ない。一方、壁や天井などの部材は多めに納入され、余ることが多い。「もったいない」とストックしたこともあるが、運搬する費用や人手が必要なうえ、保管中に変形しやすいなどの難点があった。

 今春、業務上の課題を社内で議論する中で、「欲しい人に引き取ってもらう方がいい」と話がまとまった。企業として「SDGs」(持続可能な開発目標)への協力を目指していることもあり、SNSを活用して一般の消費者に譲ることにした。

 今月初め、90センチほどの残材60本の引き取り手を募集したところ、20件の問い合わせがあり、条件が合った2人に引き渡した。スケートボードの素材や薪として使われる予定という。

 同社取締役の廣瀬隆之さん(42)は「“いい取り組みだね”と予想以上の反響があり、驚きました。木材を有効に使ってもらえればうれしい」と話す。

 同じ趣旨で、各現場に「COPPA(木っ端)BOX」という箱も設置した。残材バンクに載せない小さい端材を入れ、周辺の住民に自由に持ち帰ってもらうという。(佐藤美千代)