ブリトーが原因? 米陸上選手が主張、五輪に出場できず

ロンドン=遠田寛生
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 2016年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)に出場し、陸上女子1500メートルと5000メートルの米国記録を持つシェルビー・フーリハン(28)が、ドーピング違反で今夏の東京五輪に出場できなくなった。スポーツ仲裁裁判所は15日、選手からの申し立てを退け、今年1月14日から4年間の資格停止処分を確定する裁定を出した。

 フーリハンは昨年12月15日に受けた抜き打ち検査で、検体から禁止物質で筋肉増強作用のあるナンドロロンが検出されていた。意図的ではないと主張し、世界陸連の独立監視部門が出した処分に申し立てを行ったが、禁止物質がどうやって体の中に入ったのかを証明できなかった。

 24年パリ五輪の出場も絶望的となったフーリハンは自身のSNSで声明を発表。動画では涙ながらに「途方に暮れている。戸惑いや怒りもあるし、心が打ち砕かれた」と訴えた。

 禁止物質が体に入った経路は「最も可能性が高いのは、検査の約10時間前に食べたメキシコ料理のブリトーに入っていた豚肉と考えている」と話した。自宅のある米オレゴン州のワゴン車販売で購入したという。

 ドーピング検査では体内に入る物質は原則、選手の責任とされる。ただ、過去にもメキシコや中国で行われた大会などで食肉での摂取から違反となったケースもあり問題になっていた。

 世界反ドーピング機関(WADA)は長年の課題として取り組んでおり、5月の理事会で新たな基準を設定。クレンブテロールなど種類にもよるが、食肉に禁止物質が混入していたと証明できた場合は、ごく微量(1ミリリットルに対して5ナノグラム以下)であれば、違反としない方針を出している。(ロンドン=遠田寛生)