「前代未聞」の選挙買収 河井克行元法相に午後に判決

新屋絵理
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 元法相が問われた巨額の選挙買収に、どんな判決が言い渡されるのか――。計100人に約2900万円を配ったとして、公職選挙法違反(加重買収など)の罪に問われた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)への判決公判が18日午後、東京地裁で開かれる。

 逮捕されてから丸1年。事件は起訴から100日以内の判決をめざす「百日裁判」の対象だったが、345日後の判決となる。

 克行被告が妻の案里氏(47)=有罪確定=とともに、2019年7月の参院選広島選挙区をめぐる公選法違反の罪で逮捕されたのは、20年6月18日だった。

当初は無罪主張も…

 昨年8月の初公判で克行被告は、現金は「(統一地方選の)当選祝いや陣中見舞い」などとして、案里氏とともに無罪を訴えた。

 検察側によると、当時現職だった地元議員や首長に提供された現金は1人あたり10万~50万円程度が中心で、最高額は元議長の奥原信也・広島県議(78)の200万円。後援会関係者や陣営関係者へは、1人あたり5万~10万円程度が大半だった。

 主な争点は三つ。現金提供の趣旨が案里氏を当選させるための買収だったのか▽案里氏との共謀があったのか▽克行被告が選挙運動を取り仕切る「総括主宰者」にあたるのか――だ。

 公判では、買収された側100人のうち94人が、検察側の主張に沿う形で、「違法な裏金」「案里氏を応援してほしいという趣旨」などと違法性を認めた。

一転して罪の大半認める 

 買収された側の証人尋問が終わった今年3月、克行被告は被告人質問のなかで突然、無罪主張を一転し買収行為の大半を認めた。「案里の当選を得たいという気持ちが全くなかったとは言えない」とし、議員辞職する意向も明らかにした。

 ただ、約10人の陣営関係者らに渡した現金については「給料だ」として無罪を訴え、案里氏との共謀も否定した。

 選挙運動を取り仕切る「総括主宰者」にあたるかどうかついては「裁判体の判断に従う」とした。問われている加重買収の罪は、総括主宰者による買収の罪をより重く定めている。

 検察側は「これほどの大規模買収は前代未聞だ」として懲役4年、追徴金150万円を求刑した。弁護側は、買収の大半を認めたなどとして執行猶予を求めた。

 案里氏は今年1月に懲役1年4カ月執行猶予5年の有罪判決が言い渡され、確定している。(新屋絵理)