金正恩氏「対話にも対決にも準備」 米の政策受けて発言

ソウル=鈴木拓也
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 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)総書記は17日、開会中の朝鮮労働党中央委員会総会で、バイデン米政権の新しい北朝鮮政策を踏まえた戦略について「平和的な環境と国家の安全を保証するには、対話にも対決にも全て準備しなければならない」と述べた。朝鮮中央通信が18日に伝えた。

 正恩氏が示した戦略などの具体的な内容は報じられていない。バイデン政権の新たな北朝鮮政策については同通信が5月末に、「国際問題評論家」の個人名で「権謀術数にすぎない」と批判したが、正恩氏の発言が伝えられるのは初めて。

 同通信によると、正恩氏は総会の中で、バイデン政権の北朝鮮に対する政策動向を詳細に分析したと言及した。北朝鮮の自主的な発展や安全を守るには、対話にも対決にも準備が必要としたうえで、「戦略的地位を高め、有利な環境を主導的に築いていく」と強調した。「刻々と変化する状況に機敏に反応し、朝鮮半島情勢を安定的に管理していくことに注力すべきだ」とも述べた。

 韓国政府関係者は発言について、「今後の状況を見守るようだ」と分析した。当面は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射など米国を強く刺激する挑発は行わないとみる。正恩氏は、国内の厳しい食糧事情から農業を最優先課題としており、17日の総会では「人民生活の安定」のための特別命令書を発令した。当面は国内対策に集中する方針とみられる。(ソウル=鈴木拓也)