「あっ、ダメだ」 コロナ休業、会社辞めて選んだ副業

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岩沢志気
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 新型コロナウイルスの感染拡大で、最初の緊急事態宣言が発令される直前の昨年3月。当時、東証1部上場の大手旅行会社の広報部門で管理職を務めていた小田裕美さん(37)は、部下ら20人ほどと共に上司から呼び出された。

 「週に何日か休んでもらいます」

 その場で役員はこう告げた。「Go To トラベル」キャンペーンの導入前で、国内外含めて旅行業界は壊滅状態。広報しても旅行者がそもそもいない状態だった。

 ただ、小田さんはまだ楽観的だった。毎日が休みになるわけでもなく、休業手当として「平均賃金の6割以上」が保証されている。「映画でも見に行こう」くらいに考えていた。

 衝撃を受けたのはその後だ。数日もしないうちに、社長名義のメールが届いた。5月末まで全て休みとなることが記されていた。

 メールには「みんなで乗り越えよう」と書かれていた気がする。だが、「それが記憶に残らないくらいの衝撃。つぶれるかもしれないと思った」。

 小田さんは、「大企業」や「大手」への憧れが強かった。

 新卒で入った会社は社員100人強の映画配給会社だったが、周囲の友人は大手企業ばかりに進んだ。手厚い保障、ぐらつくことがない経営、高い給与水準……。周りが輝いて見えた。

 そうした思いから、別の映画配給会社を経て東証1部上場の大手飲食グループ企業に転職。その後、2015年1月に旅行会社に移り、管理職にもなった。「永遠にここに居られる」とさえ思っていた。

記事の後半では、小田さんが会社を辞めた後にどのように行動したのかや、その後の気づきなどについて描きます。

 そんな最中に突きつけられた、「大手でも経営はぐらつく」という現実。その後も事態は好転せず、休みの期間は延長を繰り返した。

 5月初頭には、ついに9月まで休みが延びると聞かされた。そうなれば収入も一気に減るし、広報としてのスキルも落ちてしまう。「あっ、ダメだ」。会社を辞めることを決めた。

 その決断と前後して、駆け巡…

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