矢部太郎が語る絵本作家の父 「変だな」が僕のルーツ

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黒田健朗
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 漫画「大家さんと僕」シリーズで知られる芸人・マンガ家の矢部太郎さん(43)が20日の父の日を前に、新作「ぼくのお父さん」を刊行した。父で絵本・紙芝居作家のやべみつのりさんとの幼少期の思い出をつづった作品だ。「変な人が身近にいて、『変だな』と思っていたことが、僕のルーツかな」という、父とのエピソードを語った。

 「大家さんと僕 これから」を出した後、次回作に思いついたのは自身が子どもの頃の父の話だった。当時の父と年齢も仕事の内容も近くなっているような気がしていたという。そんな時父から送られてきたのは「たろうノート」という日記。幼少期の出来事を「記録魔で収集癖がある」という父が細かく記していた。存在は知っていたが、本格的に読むのは初めてだった。「子どもの頃に思っていたのとは違う父も見えてきて、描きたい物がどんどんできていった。逆に『お父さんノート』として僕からみた父を描けると思いました」。「ありがたい」と喜ぶ一方で、姉の「ノート」の方が質も量もともに充実していることに気付いたという。「お姉ちゃんの日記の方がそのまま出版できるんじゃないかというくらい、クオリティーが明らかに高い。絵のタッチも分量も差を感じて、それはちょっとショックでした」と笑う。

 当時家にいることが多かった父とはよく遊んだ。ご飯の時、おかずを見て描く理由を尋ねると、「食べたら消えちゃいますから」。ゴミを捨てに行ったはずが、帰りには持ち物が増えている。牛乳パックを工作に利用し、「この世にごみなんてないんです ごみだと思うからごみになるんだよ」。連日つくしを採りに行ったり、友だちを交えて縄文土器を作ったり。今作ではそんなどこか不思議な父と子のやりとりを、ほのぼのとした柔らかいタッチで描くとともに、なかなか絵本を完成させられない父の姿も映し出される。

 つくしのエピソードは印象的…

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