深夜の脳裏に火箸は鳴る 他者を「見る」私とは

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 部屋の片付けをしていたら、中国の王兵(ワンビン)監督が標高3200メートル、全80戸という雲南省の小さな村で撮影したドキュメンタリー映画「三姉妹」のDVDが出てきた。

 母親は家を出たまま帰って来ず、父親は出稼ぎのため不在。残された家で暮らす10歳、6歳、4歳の三姉妹の毎日が淡々と映される。

 長女は妹たちの面倒や家畜の世話、燃料となる家畜の糞(くそ)拾い、主食であるジャガイモ洗い、その他作業に追われて忙しく、学校にきちんと行けている様子は見られない。たまに勉強していると、そんな時間があるなら家畜の世話をしろ、羊が盗まれたらどうするんだと祖父に言われ、一日の終わりには藁(わら)を敷いた寝台に姉妹、身を寄せ合って眠る。妹の服に付いたシラミを姉がとってやる場面が何度も描かれる。

 この作品を観(み)ると、1…

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